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高崎市の銅版画家、村上早(さき)さんの展覧会「gone girl」が3月17日まで、長野県上田市の上田市立美術館で開かれています。黒く力強い線で描かれる少女や犬、家などのモチーフは、純粋さと残酷さという2つのイメージをはらみつつ、観る人の想像力を強く喚起してくれます。
村上さんは高崎市出身。武蔵野美術大入学後に銅版画を始め、同大学院在学中に、若手版画家の登竜門とされる「第6回山本鼎版画大賞展」で大賞を受賞しました。まだ20代半ばですが、都内の公募展で多くの賞を受け、中国でも展覧会を開くなど、気鋭の若手銅版画家として注目されています。
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村上さんの作品の魅力は、その独特の世界観にあります。
黒線に縁取られたモチーフは、シンプルな構図で世界の不穏さを描いています。その不穏さは、私たちに恐れを与えますが、直視せずにはいられない魅力を秘めています。
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銅版画を作る工程にも、村上さん独自の感性があります。
子供ころに心臓の手術をしたことが、トラウマになっているという村上さん。銅を薬剤で傷つけて描くというプロセス、そのものに強い関心を抱いているそうです。
中には、うっすらと下書きのような線が見える作品もあります。これは一度描いた絵を消して、上からまた描いているためです。
何度もモチーフに挑んだ作家の心の動きを表しているようで、作品の奥行きを感じます。
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銅版画は制作設備が大掛かりなため、村上さんのように1メートルを超える大作を手掛ける作家はとても珍しいと言えます。
大作ならではの迫力、力強い線づかいは、ぜひ目の前で味わってほしいと思います!
上田市立美術館
長野県上田市天神3-15-15 火曜定休 開館 午前9時〜午後5時
写真撮影OK