クリエーターを引きつける「桐生産地」の魅力とは。移住したデザイナー夫妻が語る、織物技術とコミュニティーの豊かさ

織物産地として知られる桐生市に、ファッションデザイナーの素敵なご夫妻が移住しました。

大小(たいしょう)こと和﨑拓人さんと、妻の里緒さん。クリエーターとして都内で活躍していたお二人は、なぜ移住先に桐生を選んだのか。

11月23日に繊維業界の若手による勉強会「いとへんの会」にゲストとして登壇し、桐生の街や人、織物産地の魅力を語りました。

産地だからこそ、できる「ものづくり」を

大小さんは日常的なモノをテーマにした服作りを手掛け、独自のブランド「proto (egg) poroduct project 」を展開しています。食パンや路面標識の柄をあしらった服はどれも個性的!
雑誌の企画やアーティストの衣装も多数手掛けてきたそうです。

里緒さんは、大手アパレルメーカーなどにデザイナーとして勤務した後に独立。ご自身のブランド「_ito_」では、シンプルでシックな服やアクセサリーなどを制作しています。

「いとへんの会」のゲストとして登壇した和﨑さん夫妻

服作りのテイストは異なるお二人ですが、共通しているのが「産地と協働でものづくりをした経験」です。

全国の産地と仕事をする中で、お互いに「もっと産地とつながって質の高いものづくりがしたい」という思いが強くなっていったと言います。

では、全国に多くの織物産地がある中で、なぜ桐生を選んだのか。

その理由は、桐生産地の強みである「小ロット・多品種対応」にあるそうです。

里緒さん:「織物やニードルパンチ、刺繍、染色など、繊維関連のさまざまな工場が、地域内にぎゅっと集まっています。それは桐生産地ならではの魅力だと思います」

もう一つの決め手は「地域コミュニティーの豊かさ」でした。

大小さん:「まだ移住して間もないけれど、街中を歩くとすぐ知り合いに声を掛けられます。そういう顔の見える関係は、都会にはない別の豊かさだと感じました」

桐生市内のコワーキングスペース「ココトモ」で開かれた勉強会「いとへんの会」

そんな思いで移住したお二人は、11月1日にオープンファッションアトリエ&ボードゲームスペース「ふふふ」(桐生市本町)をオープンしました。(クラウドファンディングのプロジェクトページはこちら

11月初めにオープンした「ふふふ」

作ると学ぶ、遊ぶを内包する空間「ふふふ」

「ふふふ」のコンセプトは「作る」「学ぶ」「遊ぶ」の三つです。

「作る」は、デザイナーとしての本分であるファッションクリエーション。ガラス張りの店舗内で制作の様子を公開し、いずれ夫婦のブランドを立ち上げるそうです。

「学ぶ」は、洋裁教室やワークショップを通して、地域内外の人にものづくりの楽しさを伝える役割です。糸編が運営する「産地の学校」とも連携して、産地とデザイナーをつなぐ学びの場づくりも進めていくとか。

と、ここまではファッション関連の内容ですが、「遊ぶ」のテーマは「ボードゲーム」です。

都内を中心に人気が高まっているボードゲーム

大小さんがボードゲーム好きだから、という理由に加え、幅広い年代が交流できるのも魅力だそう。

普段はボードゲームスペースとして運営しているので、ファッションに興味のない人も気軽に訪れることができます。

デザイナーと産地の触媒を期待

お二人は移住の決め手の一つとして、「いとへんの会」を企画している川上由綺さんとの出会いを上げていました。

川上さんは桐生市内で繊維製造を手掛ける会社に勤務しつつ、テキスタイルデザイナーとして活動しています。

全国の産地で活躍するテキスタイルデザイナーによる展示会「NINOW(ニナウ)」にも参加し、仲間とともに産地の未来を考える活動をしてきました。

「いとへんの会」を企画している川上さん

デザイナーが産地を目指す動きが活発化する中、川上さんたちのような「ゆるやかなつながり」を作ることがとても大切だと実感しました。

そして「ふふふ」のように、常に開かれた拠点が桐生にできたことで、若手デザイナーの移住や産地の活性化がさらに進むのではないか、と期待しています!

(繊維産地を巡る現状については、過去記事「令和時代の豊かさは産地がつくる」に書いています)

アナログゲームの奥深さを実感 

「いとへんの会」の後日、1人で「ふふふ」に遊びに行きました。

お店は本町通り沿いにあり、ガラス張りなので外からもよく見えます。

店内には約400種類のボードゲームがずらりと並び、好きなゲームで遊ぶことができます。

大小さんがお薦めのボードゲームを選んでくれました

私も初心者向けのゲームで遊ばせて頂きました。

アナログのゲームは、ルールは単純だけれど、かなり頭を使います。

こまの高さや形、色をそろえるゲーム「クアルト」

小学生のお子さんも遊べそうなゲームも多く、子連れで来ても楽しめそう。

3時間コース(1ドリンク付、1000円)で遊ぶ方が多いそうです。

「ふふふ」のオープンで、桐生に来る楽しみが、また一つ増えました!

「ふふふ」
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